フォト
無料ブログはココログ

心の風景

2024年10月30日 (水)

「夏の名残の花」 ~ Last rose of summer

暑い暑い・・・と言っていたら、いつの間にか秋雨の季節。地震,選挙、戦争、難民・・・・それでもどこ吹く風。

選挙にも行かず、高額日銭を稼ごうとする若者たち。 うかうかしていると徴兵令がブラックメールで来るのかも。

**********

わが庭には今夏はまともに水遣りもしないのに、生き残った植物たちが冬に向かっている。

健気な花は葉も落ちているのに、ポツリポツリと開花している南国の花。 トルコでは日本の薔薇(ジャポンギュル)という。某トルコ専門家がそれは椿のことで、オックスフォードの辞書にもそう書いてある!!と怒ったが、現実にトルコでは日本の薔薇と言っているのだからしかたがない。

Img_20241025_132438_resized_20241030_095

 

庭の千草というアイルランドの名歌ある。明治14年に輸入されたその歌は小学歌唱集。

その原題はLast rose of summer。里見義という人が邦訳している。薔薇を白い菊にしているが、当時、薔薇は珍しかったのか・・・・。

今年は特にこの歌が身に沁みる。逝ってしまう知人たち・自身の肉体の劣化・・・・

 

庭の千草も。むしのねも。
かれてさびしく。なりにけり。
ああしらぎく。嗚呼(ああ)白菊(しらぎく)。
ひとりおくれて。さきにけり。
二露(つゆ)にたわむや。菊の花。
しもにおごるや。きくの花。
あああわれ あわれ。ああ白菊。
人のみさおも。かくてこそ。

Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;
All her lovely companions
Are faded and gone;
No flower of her kindred,
No rosebud is nigh,
To reflect back her blushes,
Or give sigh for sigh.

2024年7月11日 (木)

『蛍袋』  ~ 過去の記憶

酷暑、24時間冷房無しでは生きていけない・・・・高温だけではなく、高湿度が不快。水を飲め!冷房付けろ!と行政も口を出してはいるが。

Img_20240626_094917_resized_20240704_045

 

わが庭には、梅雨になるとオリーブの木の下に白い蛍袋が咲くことになった。子供時代から馴染んだ花なので、冷蔵庫もクーラーもなかった、勉強もしなくて良かった、今よりはるかに原始的な夏の生活を想い出す。

蚊に刺される、蝉の声がジリジリ暑さを募らせる。時折、赤い旗をたてて、青い箱に薄甘い氷の棒のアイスキャンデー売りが自転車でやってくる。買ってもらえる子はシアワセ。朝のパンやご飯が夕方には傷んでる。何を食べて生きていたのか・・・不思議だが、井戸水は冷たくておいしかった。

時は流れ、戦後初期に生まれた昭和世代も、高度成長期を過ぎて、今や高齢者、懐かしさと不安を抱えながら生きている。

 

 

2024年1月26日 (金)

『夢』 ~ 庭に牛の親子が

面白い夢を見た。わが庭に牛の親子がやってきて、花を食んでいた。 どこから来たの?と声を掛けたら目が覚めてしまった。

 

Img_20240119_140433_resized_20240126_123

 

丑年でもないのに・・・どうしたのだろう。 牛は黒牛でもなくはっきりとした白黒の親子だった。もうちょっと見とれていたかった。

 

R_20240126144501

夢は見ている瞬間は「真実」なので、嫌な夢を見ると心臓ドキドキしたり、気分も悪くなる。

Img_20220428_113921_resized_20240126_123

 

時々花喰い鳥がやってくる。しおれた花ではなく咲いたばかりの新鮮な花が狙われる。カラス以外の小鳥なら歓迎。 

カラスは羽を広げるとかなり大きい。虫を食べてくれるなら良いのだが、餌をくわえてやってきてわが庭で食べようとするのだ。 そういう時は襲われないように威嚇するのだが、カラスの夢だけは見たくないものである。

 

 

2023年9月25日 (月)

『喜寿を迎えた貴婦人』 ~ SL C57

兄の法事で仙台へ、途中生地のフクシマで下車。 東北もクーラーなしじゃ暮らせない! 子供の頃は扇風機もなくて、団扇で扇いだ程度。

オカミが電気の使用を控えろ!と言わないのが不思議・・・実は電力は余っている?という話もある。

R0018763

かすかに秋の気配。

Img_20230912_150501_resized_20230913_121

久しぶりのローカル線。線路には雑草が生い茂り、草を抜く人手もなさそう。 ワンマン電車はその上を走る。線路とトンネルは昔のまんま。途中、後輩と思しき学生が乗り込んできたが、頭がよさそうには見えない。旧商店街は何処も同じシャッター通り。買い物はアメリカ資本のスーパーに車で行くらしい。

1695191315733

そんな矢先、従弟から昔懐かしい「汽車」の写真が送信されてきた。会津若松発始発の一番列車の只見線。新潟まで乗り継いで、自称「飲み鉄」の一人旅を楽しんでいるらしい。子供時代は石炭を焚いて、煙を吐いた黒い汽車が面白い生き物のように思えた。只見線は昨年10月に全面開通。

1695227297911

私も貴婦人と同じ齢ということでした。

 

2023年8月10日 (木)

『5歳児の夏』 ~ ママと結婚したい 

T君(5歳)は一番若い友人の息子。大きく生まれて、いまだに大きくて実年齢より大きく見える。話を聞くとなかなか面白い。 誰でも子供時代を過ぎてお大人になったのだけれど、子供の思考力は果てしない! その感受性は聞けば聞くほど面白い。やっと言葉を学習して理解力もアップ!毎日が発見の連続。未来が溢れる日々。天真爛漫でいられるのもあとわずか、お受験戦争が待っているのかも・・・。

 

新潟のおじいちゃんが大好き! 

版画家で手先の器用なおじいちゃんは本格的な雪だるまを作ってくれたり、一緒に遊んでくれる。いつも別れがつらくて泣いてしまうのだとか・・・

 

ママと結婚したい!

最近ケッコンという言葉を学んだらしい。突然ママと結婚すると言い出したので、ママはパパと結婚してT君が生まれたのよ、だからママとは結婚できないの。と言ったら、またまたママと結婚したかったア・・・と泣き出したとか。

ジャズコンサートだって!

おじいちゃんとの蜜月中。なかなかママのところへ帰りたがらないのでママはちょっと寂しそう・・・

1691750912370

5歳にしてジャズの洗礼を受けさせるとは、おじいちゃんも孫教育やりますなア

 

1690770408547

どんな虫が取れたのかな?

1690770409212

蚊に刺されても、虫を追いかけてどこまでも・・・

2023年7月31日 (月)

『孫句』 ~ 姉を偲ぶ

二人の姉が相次いで逝って1年余り。この句作の姉は、奇麗好きで仕事仕事で忙しそうで、私の子供時代はあまり面倒見られた記憶がない。こんな句を見ると意外だと思う。

孫句はダサイと知りながら、詠まずにはいられなかったのか・・・。

Img_20230729_133010_resized_20230729_013Img_20230729_132926_resized_20230729_013

「天瓜粉」も「日向水」も懐かしい言葉。

酷暑の日々を過ごしながら、姉たちのことを偲んでいる。

 

2023年3月 7日 (火)

『金の卵』 ~ 十五の春

もはやもう、「金の卵」は死語であるらしい。忘れることも生きるコツかもしれない。それにしても学校では古代史を学ばせるのだが、近代史は学ばせない。試験にも出ないからひたすら忘却の彼方へ。3・11・はまだ記憶に新しいけれど、すでに風化しつつある。

少しは心のどこかに、記憶しておいたほうが良いとは思うけれど、今の若い世代は受験勉強でそれどころではないらしい。大学に入ればバイトが忙しくて考える暇もないとそうだ。卒業しても就職できなければ奨学金の負債が追いかけてくるという現実。心の余裕もない。

かつて、集団就職という国策があった。貧しい田舎の子供たちを斡旋する就活である。自分より成績の良い子が便乗して都会に出て行くときに、就職列車という夜行臨時列車に乗るのを近くの駅で見送ったことがある。そのすすけた古めかしい列車が到着したときには、すでに北のほうから赤いリンゴほっぺの女の子たちが乗り込んでいた。安定所のオジサンが旗を掲げて同乗(人買いのごとく)。見送りに来た親たちは走りながら列車を追いかける。テールランプが闇に消えた。 

そして自分は高校に行けることの幸せをかみしめた。

Img_20230306_123049_1_resized_20230307_1

早朝上野駅に着くと金の卵の受け入れ先が旗を振って、向かいに来ていた。まるで人買い市場のような賑わいだったと言いう。彼らはそれぞれの職場で修業に励み、盆暮れに帰郷することが唯一の楽しみだった。

時には仲間たちと上野の西郷さんで待ち合わせて、「高校に行った人達に負けないように頑張っぺ」と励ましあったそうである。

映画「3丁目の夕日」そのものである。

Img_20230306_123415_resized_20230307_110

東北は圧倒的に貧しい農村で子だくさんが多かったから、中学を卒業すれば実家から出ていくのは当然のこと。中卒の友人と連絡を取り合っているが、当時を特に不幸だとは思っていなかったという。

学歴社会の中で、彼らこそ日本を支えてきたことを覚えておきたい。

十五の春「金の卵」の上野駅

 

 

2023年1月31日 (火)

『ばあばんの孫句』 ~ 冬の部

昨年逝った老姉の部屋をのぞいたら、なんともほっこらする手製の句集を見つけた。定年後、俳句を始めていた姉の「孫句」である。それほど孫愛の強い姉とは見受けなかったけれど、やはり孫は可愛かったらしい。

Img_20230128_160901_resized_20230129_025

孫句をピックアップして、姪がちぎり絵で句集を編集したのだとか・・・母娘の共同制作ということで微笑ましい。

 

Img_20230128_160752_resized_20230129_025

時には孫を預けられたらしい。

Img_20230128_160839_resized_20230129_025

東北の冬の寒波は当たり前。私の知らなかった姉の一面が垣間見れて楽しい。 もう、孫たちも四十路である。

 

 

2023年1月13日 (金)

『雪うさぎ』

今年は兎年。 ついこの間、兎の賀状をもらったような・・・・。 

再び兎に会えるまで生きながらえる自信がなくなったから。月日の経つのが目まぐるしいと感じるのは年齢のせいかなア。

Img_20230104_125132_resized_20230109_074Img_20230104_125216_resized_20230109_074

今年もジュエリーデザイナーからの素敵な賀状が届いた。耳を持ち上げるとお子達の写真が。まるで、賀状建築!賀状コンテストなんてないのかなア・・・

 

1673192426904

これが本当の『雪うさぎ』ですね。 新潟の魚沼のおじいちゃんが作ってくれたそうです。3歳の孫は喜び庭駆け回る ♫♪♫

 

R0018755R0018751

もう半世紀以上前の母の作品。母亡き後、処理される前に引き取った。そして、兄の棺にそっと納めた。

 

 

 

2022年10月23日 (日)

『変貌するふるさと』

久しぶりで故郷を訪ねた。5月に亡くなった老姉にはコロナのせいで2年も会わず仕舞いだった。せめて墓参をしておきたいと思った。 

街はすっかり変貌し、賑やかだった商店街は正にシャッター通り。あの頃の大人たちも皆お墓に眠っていることだろう。子供の頃のかすかな記憶が蘇った。

Img_20221016_115731_resized_20221020_025

姉夫婦が建てた墓の両隣は夫婦両家の墓も移動していた。墓を守るのも大へんらしい。 やがて、墓仕舞いになったりするのかもしれない。

Img_20221016_115859_resized_20221020_025

遠くに懐かしい山が見えた。家並みはすっかり新しい。この地で生まれ一生を過ごした姉を思う。

Img_20221016_120243_resized_20221020_025

般若寺: 鐘撞堂が新しくなって、土葬の時代は棺を担いで上っていった坂道も舗装されていた。

 

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31