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映像散歩

2017年9月 9日 (土)

『静かなる情熱』 ~ エミリ・デイキンスン

エミリ・デイキンスンEmily Dickinson(1830-1886)はアメリカの詩人であることは知っていたものの、その作品と人物についてはボンヤリ。 自然、信仰、愛と死をテーマにした作品は生存中は無名であった。

100年前のアメリカ人がこんなにも美しい英語を話していたのだろうか(たとえ、上流家族とはいえ)と驚き、映像もイギリスらしく丁寧で美しい。 彼女の個性と生きた時代を振り返りながら後味の良い作品に収まっている。英語の語学教材としても優れた映像ではないだろうか…などと思いながら、うっとり。

彼女の病気を医師がブライト病と診断する場面がある。今でいう腎臓疾患だったらしい。静かなる情熱を秘め、生前は作品を評価されることもなく自宅に閉じこもりながらの詩作。 かなり気難しい性格だったようだ。

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改めて、彼女の詩に触れてみたくなって、早速、図書館へ申し込んだ。

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          Water is taught by thirst;
                   
          Land, by the oceans passed;           
          Transport, by throe;
          Peace, by its battles told;        
          Love, by memorial mould;

            Birds, by the snow.

            水は 渇きによって 教えられる        

            陸は 渡ってきた 大洋によって
            恍惚は 苦悶によって
            平和は 語られる戦闘によって
            愛は 形見の肖像によって
                 鳥は 雪によって

                               出典エミリー・ディキンソン

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監督・脚本: テレンス・デイヴィス

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主役: シンシア・ニクソン

2017年3月 5日 (日)

『ロマの哀愁』 ~ 洞窟フラメンコ 

ロマ(ジプシー)という言葉を初めて耳にしたのはいつのころだろうか・・・。多分、絵本で見たフラメンコのような気もするが、国を持たない民族としてのユダヤ人とロマ人の存在には「どうして?」という疑問を持った。

ドキュメンタリー映画「サクロモンテの丘」を観たら、1971年にグラナダはアルハンブラ宮殿向かいの丘にあるサクロモンテの記憶が蘇った。 洞窟を白く塗りたてて、家族で住みながら観光客にフラメンコを披露する、小さな子供たちもこぞって踊る。 ホテルに依頼すると、手配者が案内してくれた。 ワインを飲みながら、カスタネットを売りつける(貧乏旅行なので、買わなかった)。狭い洞窟で彼らの体臭を感じた古い記憶。

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その後、ロマたちはサクロモンテから退去させられ、公営団地などに、移動した。現在では、サクロモンテの洞窟はドイツ人と日本人の別荘になっているのだとか・・・。

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かって、フラメンコダンサーとして世界を駆け巡っていたロマ達は今、過去を懐かしみながら、後継者を育てることにエネルギーを注いでいる。

ヨーロッパでは各地でロマの集団を見かける。お金の無心をしたり、かっぱらいをしたりすることも多いので、嫌われ者だけれど、今ではほとんどが定住し、教育も受けている。

ホロコーストでは多くのロマ人が犠牲になった。「ハンガリー狂詩曲」「チゴイネルワイゼン」などロマの血の哀愁漂うメロデイーが心に響く。

2016年9月 3日 (土)

『レトロな池袋』 ~ 現存する半世紀前

8月最後の日: 

太極拳仲間の三婆が向かった先は池袋歓楽街のど真ん中、新文芸座。 名前が横文字でないところが良いと思う。

映画は「スポットライト」と「アイヒマンショー」の二本立て、入場券は券売機で買う。 2本とも事実に基づいた作品。

文芸座は1956年、作家三角寛の「人生座」の姉妹館としてオープン。 当時は映画書専門の店「しね・ぶていっく」や地下には邦画の劇場もあり、「泥の河」監督の小栗康平などはここで映画に取りつかれたらしい。

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歌手の故浅川マキは毎年大晦日にコンサートを開いていた。 一度は行きたいと思いつつ・・・当時の池袋は遠かった。ファンが多くチケットは取れなかっただろう。

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消えてしまったのかと思っていたら、名前も「新」がついてリニューアルオープン。入れ替え制無し、場内飲食可なので昔のように、食べながらの鑑賞ができる。 さすがに喫煙は不可。

観客は圧倒的にオジサン(オジイサン?)が多いのは昔の馴染み客なのか、暑さ凌ぎや昼寝に利用しているのか・・・・オールナイトの3本立てもあり。 腰痛症の人は要注意! エコノミー症候群にも注意!

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映画の後は小腹がすいたので、またまたレトロのパン屋「タカセ」。 ここのケーキはあの尾崎豊も好きだったのだとか・・・・。

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「海鮮スパゲテイ」とやらはケチャップたっぷりのナポリタンに刻み海苔を振りかけた、うどんもどきの懐かしさが漂う。 昭和がそのまんま生きている。

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「ラムネ味の餡とクリームのサンドイッチ」・・・・果たして美味しいのだろうか? 1階のパン屋を覗いたらいろんなパンが発見できそう。 池袋のレトロカルチャーも面白いかも。wink

2016年4月24日 (日)

悲痛で残酷な愛 ~ 映画「さざなみ」

久しぶりにシャーロット・ランプリング主演の映画を観た。 「愛の嵐」や「さらば愛しき人よ」の涼しい眼はいまだ健在。 原題は「45 years」。つまり結婚45年目を迎えた夫婦を突然過去が襲う。 若き日に夫は恋人と共に山を愛し、恋人は遭難した。

幸せな結婚生活の45周年記念日を迎えようとしていた矢先、旧恋人のアルプスでの発見の知らせが届く。夫の動揺が妻に伝わる。 「僕はこんなに老いたのに、彼女はあのときのままだ」とつぶやく。

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               45年をともに過ごした夫婦に激震が・・・・・

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シャーロットの演技が抜群特に最後のシーンは迫真に迫るものがある。妻は嫉妬のさざなみに悩まされ続けるのだろうか?だとしたら、なんと残酷な晩年になることか・・・・・・。

かって、某映画サークルに属していた時に、メンバーの一人が「愛したら死ぬことです。限りなく続く永遠の愛、それは死です」というエッセイを書いて、熱い議論になった。本人は既婚者なのだが、「僕は浮気はしない、いつも本気なんです」と平然と応じていたことを想い出した。今頃は多分、同じ妻と45周年を迎えているのかもしれない。

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★ 巨匠ヴィスコンテイは「愛の嵐」悲痛で残酷で恐ろしいほどの傑作!と評したが、正に、再びの傑作ではないだろうか。

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                     「愛の嵐」の時のシャーロット

2015年11月30日 (月)

『小さき声のカノンー選択する人々』 ~ 三鷹いのちと平和映画祭

ズット気になっていた鎌仲ひとみ氏のドキュメンタリー映画、やっと鑑賞するチャンスに恵まれた。 場所は三鷹駅から近くの風の散歩道沿いにある「沙羅舎」。 フクイチで放出された放射能処理は行き詰っている。一握りのママたちの子供の健康を守る戦いをチェルノブリと照らし合わせながら、息の長~い自主行動の様子を捕えた映像には空しさとともにかすかな希望が見える。 自主上映作品で、全国各地のミニシアターで上映されている。

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この作品は是非、全国会議員の先生方に観賞して欲しいものであるが、原発無知の彼らは途中で居眠りしてしまうことだろう。 他人事としてとらえる人々には興味のない話で、疎開をする意味すらみいだせないだろう。見えない悪魔を見ないように生きていく・・・・放射能も水に流せば消えると思っているフシがある。 つまり、悪魔とは彼らのごとき族なのだということに・・・・。

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上映後、助監督の宮島裕氏と撮影担当のカメラウーマン、岩田まき子氏を囲んでトーク。 司会はやさい村の大友映男氏。 観客には子連れのお母さんたちもいて、真面目そうな人たちばかりが集まった。

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鎌仲作品がズラリ、フクシマ県人の友人はNHKは絶対に放映しないからと、DVDを8本も購入して大感謝された。

2015年9月 2日 (水)

『今』を観る・語る・伝える ~ 油やキネマIII

信濃追分の晩夏恒例の「油やキネマIII」が開催された。今年の上映作品は

● 「Last callー科学者たちの警告」● 「みつばちの大地」● 「花はどこへいった」   ● 「石川文洋を旅する」 

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                      看板が雨に濡れて

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          開場のスペース710は50人も入れば満席の小さな空間

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かっては旅館だったという「油や」さんは現在、部屋を小さなギャラリーとして、信濃追分文化磁場として活動。 


上映後、監督や出演者などのトークがあり、観客との対話も楽しみの一つ。

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『花はどこへ行った』の監督、坂田雅子さんはフォトジャーナリストの夫、グレッグ・デイビス氏(米軍兵士として南ベトナム駐留し枯葉剤を浴びた)を突然肝臓がんで失った。その後、自らもカメラを買い、ベトナムを訪ね戦後30年たっても人々を苛む枯葉剤の影響を映像化、夫の遺言として次世代に託した。

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グレッグ氏との出会いから別れ、ベトナムの今、等を企画者の赤松千里さんが質問。

              兵士はどこに行ったのだろう 長い時が過ぎた 

              兵士はどこに行ったのだろう 今はむかしのこと・・・ 

              兵士はどこに行ったのだろう みんな墓の中に 

              いつになれば人は学ぶのだろう・・・

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『石川文洋を旅する』の出演者本人のお話。 出生地の沖縄からベトナムまで話したいことが山ほどあってなかなか終わらない・・・。 昼はM社の給仕をしながら、定時制l高校に通学、いろんな人との出会いと人間関係が人生をつくる・・・・。

60年安保を経て、民意を尊重しない政府に嫌気がさし、外国への無銭旅行に旅立った。結果として、ベトナムに4年滞在し撮り続け、フイルムを売りながらの生活が続いた。
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お二人はA社勤務時代の仕事仲間なのだとか・・・。 石川氏の人柄がにじみ出たお話でした。

★ 沖縄もベトナムもハワイもリゾートで戯れてばかりいないで、チョット前の過去の出来事に心を開くことが平和につながるということを覚えておいて・・・・heart02

2015年7月 3日 (金)

久しぶりのトルコ映画 ~ 『雪の轍(わだち)』

待ちに待った、トルコ新進気鋭の監督、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(Nuri Bilge Ceylan)の作品がやっと上陸。 字幕で公に観賞できるのもカンヌ映画祭、パルム・ドール受賞の賜物に相違ない。 (2012年には監督賞も受賞)

小さな映画館だし、おそらくガラガラだろうと予想したら、何と満席。3時間15分という長編にも関わらず、居眠りしている人はいなかった。 

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人間の心を深く描き出し、映像にも登場人物にも全く無駄がない。 まるで、巨匠ビスコンテイとベルイマンが甦ったような・・・・・これは、かなりの秀作であり、哲学だ! 考えるヒントが散りばめられている。 あらすじを言うのは野暮、ぜひ映画館へ。

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原題は「冬の眠り」、決して明るくはないけれど、トルコ特有のしつこさ = 理屈っぽさもあり、見終わって、『雪の轍』の方が、適していると思った。 舞台を見ているような錯覚をも覚える。 原案はチェーホフ。

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Celayn監督
: 1959年イスタンブル生まれ、15歳にして映像に夢中になる映画っ子。自ら脚本を書き、俳優でもある。これを機に他の作品群も是非鑑賞したいものです。

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■ヌリ・ビルゲ・ジェイラン映画祭2015
開催期間:2015年9月29日(火)~10月3日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)
上映作品(予定):『カサバー町』(1997)、『冬の街』(2002)、『うつろいの季節(とき)』(2006)、『スリー・モンキーズ』(2008)、『昔々、アナトリアで』(2011)
※シンポジウム実施予定。
【問い合わせ先】
アテネ・フランセ文化センター
TEL:03-3291-4339

2015年3月 2日 (月)

映画 『縫い裁つ人』 ~ きめ細かな映像

なぜか、この映画をどうしても見たいと思った。 マイナーな映画だし、それほど混んでいないだろう・・・・と思ったら、「お席はあと3席です」と言われた。 ミニシアターとはいえ、連日満席ですとのこと。 観客を見渡せば、品の良い女性ばかり(おじさんも少し)・・・。 コレハ当たり!だと予想した。

映像の始まりは、先ず、『ハサミ』そして『ボタン』がアップ。 西洋の古いムード漂う仕事場に、足踏みミシンが一台。 主人公は祖母の洋装店を引き継いでいる。 祖母が縫った洋服のお直しも引き受けている。 まだ若いのに「頑固じじい」のように祖母の流儀を守っている。 タイトルはぬいたつ人ではなくつくろいたつ人である。

作品の洋服は「買わない理由が見当たらない」というほどのセンスの良さ。ブランドにしないかと企業から再三話を持ちかけられても答えは「No」。

使い捨て時代の現代に、服をいとおしむ心と優しさの大切さを訴えかけ、最後にジワーッと目が潤むほどの感動を与えてくれる。 公式HP → http://tsukuroi.gaga.ne.jp/

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                                   (写真: 監督のブログより)

 

監督三島有紀子のコメント: 

● 「いつかテーラーという職人の生き方を撮りたい」と思っていたそうですね。

父が神戸のテーラーであつらえたスーツを生涯ずっと大切に着ていたんです。そこで、いつか「洋服のつくり手」を描く作品を撮りたいと思っていました。

● 監督という仕事も主人公、市江のように「自分と向きあう仕事」だと感じています。

向きあうばかりです(笑)。今回の撮影では「市江にとって本当に大事なことはなんだろう?」と考えつづけました。それはつまり、「自分にとってなにが大事か」を考える作業でもありましたし、他者と向きあい続ける作業でもありました。

2015年1月27日 (火)

 『幸せのありか』 ~ ポーランド映画

ポーランド映画をよく見る。 国の歴史事情からか、リアリテイーとポエジーがうまく交差している作品が多いと思う。

実話に基づいた、本作品の主人公は「脳性まひ」。 話せず、動けず・・・しかし、聴力と視力がある。 瞬きをすることで交信できることを発見!

主演者自身が患者である・・・というふれこみのまま見終わって驚いた。 最後のワンカットは実際のモデルと主演者が絵文字を通して交信しているではないか! 

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いろいろな病気を抱えながら生きている人たちとその家族がいる。特に、母の力は絶大だが、成長とともに、介護が難しくなる。 家族の想い、施設のスタッフ、隣人などなどが自然に表現されている。 兄姉たちも決して見捨ててはいないけれど、彼だけのためには生きられない。

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主役マテウシュを演じるダウイド・オグロトニク(1985年生まれ)は役になりきるため、障がい者に会い、パントマイムの指導を受けるという猛烈な特訓を続けたそうである。

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監督のマチェイ・ピエブシツア1964年生まれ、ジャーナリストでもある。ユーモアもあり、観客は少しの笑いと少しの涙に見舞われる。後味の良い作品であった。

岩波ホールで2月13日まで: 公式サイト→ http://www.alcine-terran.com/shiawase/

2015年1月15日 (木)

♪2015 NewYear コンサート♪ 

毎年、ウイーンフイルのニューイヤーコンサートを楽しみにしている。 昨今は日本人の着物姿の観客も一等席で多く見かけるけれど、カメラワークも良く、映像も綺麗、実際に現場に行かずとも映像で面白い場面も多い(実際には行ったことが無い)。TVにかじりついて、しっかり堪能することに。

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                      開場の学友協会

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                       華やかに開演

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今年の指揮は5度目のズービン・メータ氏(インド人:アジア系では他に小澤征司氏)

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                あらら・・・・楽団員が唄っています

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           おやおや・・・・・シャンパンが登場してきました

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乾杯! って舞台で実際に飲んじゃいましたが、『シャンパンポルカ』の演出でした

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            この小楽器はなんでしょう? 小鳥の鳴き声らしい

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                    これも・・・・・

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                   そして、この箱は?

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             正面から見るとこんな形、クルクル回しているようです

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休憩時にはシュトラウス一家の説明もあり、楽しく教養が磨かれるチャンス萬斎! ユダヤ系の父とロマの血を引く母のもとに3人の息子たちはシュトラウス楽団を創って大活躍。 昨年の指揮者はバレンボイム氏(ユダヤ系)。反ユダヤ主義を標榜する意義もあるようです。

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               ポルカの原型も映像を通して説明

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シャンデリアも天井もスバラシイ! 世界各国に放映しているという1939年以来継続しているコンサートはウイーンっ子のために、座席は遠慮した方が良さそう・・・・(以前、コンサートに行った人のつまらない自慢話を聞かされたことがある。その人は特に音楽好きでもなかった)

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