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読書の時間

2018年9月15日 (土)

け む り そ う

タバコを煙草(けむりそう)と書くことを認識した時、すごく素敵な漢字翻訳だと思った。

きょうも元気でたばこがうまい!というキャッチフレーズとともに、過去の男性たちはいたるところで煙草を吸っていた。今では考えられない映画館、職場、電車、レストラン、病院等々で。 

飛行機にも禁煙席があったけれど、仕切りはなかった。そのうち新幹線に禁煙席ができたが、現在はすべて禁煙席である。パチンコ屋にも禁煙席があるのだとか。 果たして、煙草は絶滅するのだろうか?確かに愛煙家は減少している。

       紙巻の煙の垂るる夜長かな   芥川龍之介

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                出版社はキノブックス

健康に生きるために健康に生きる、その健康な人生は何のためのものなのですか。 池田晶子

夫人の喫煙を眺めるのは悪くない。理由は、それによってほどよいエロテシズムがでるからである。 丸山薫

タバコを禁じて肺癌が減少すると、この世はみるみるぼけ老人で充満するようになるぞ、この地球上に、いままでどころじゃない、救いようのない地獄がはじまるぞ、それを承知でタバコのみを弾圧しているのか。 山田風太郎

喫煙の悪癖は生理的耽溺ではなく、言語領域での心理偽装にすぎないのだ。あえて名付ければこれは一種の言語療法だろう。 安部公房

社会からはすでに献酬の習慣が消えた。今また、喫煙の習慣も消えようとしている。 けれども、共同体の存続よりも個人の健康を優先する人々が支配的になる社会において、人が今より幸福になると、私にはどうしても思えない。 内田樹

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ジョージアの公的市場では、ニコニコしながらおじさんが煙草を売っていた。 量り売りで買って、自分好みに巻いて吸うんだとか・・・。 巻紙も道具も売っていたので、愛煙家の俳句師匠のお土産に・・・と思ったけれど、税関で大麻と間違えられたら大変!  (そんな話をしたら、非常に残念がっていた)

2018年5月10日 (木)

こんな本は読みたくない!

最近、高齢化社会のせいか・・・「老い」に関する本が溢れている。 Me Tooというわけで本の山につい手を出してしまうのだろうか?? その気持ち、わかるわかる。 Book Offで100円だったので、購入してしまった。 30分で読み終えたが、感想は「ムナシイ」。 読まなきゃよかった・・・・。

老人が老人に説教している。この点では、常に、上から目線の曽野綾子氏に通じるものがある。自分は頭が良くて、正しい生き方をしているという自負心からなのだろうか?

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著者は元NHKのアイドルアナウンサーだったらしい(当時、わが家にはTVというものがなかったので、どんな話し方をする人なのか記憶にない)。

いつの間にか、エッセイスト+作家におなりになられたようだ。PC仕事などは事務所に任せているのだそうである。 事務所を持つほど高収入なのだろう。老人は老人でも格がちがうようである。 全く参考にはならない。100円損をした例。

2018年2月 9日 (金)

『てがみ』

敬愛する須賀敦子の私信となれば、覗きたい好奇心にかられる。 それも、活字ではなく、そのまんまだとしたら・・・あまりにも生々しくて、覗くことが罪悪感に苛まされるような気分になる。 もちろん、須賀が尊命だったら、出版はされなかっただろう。没後20年という年月が、可能にした1冊なのかもしれない。

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宛名は親子ほどの年の差のあるスマさんという画家(女性)。結婚相手のアメリカ人とともに、日本を離れていた。その間(1975-1997)の須賀から彼女への私信である。 自分は1970年代の数年を某夜学校で須賀からイタリア語を学んでいた。須賀の話すイタリア話にうっとりと聞き惚れていた時期に、この生涯の友、「スマさん」に出会っていたらしい。

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写真なのに実物を読んでいる錯覚、誠実で、優しい・・・熱いものがこみあげてくる。「須賀先生、のぞき見してゴメンナサイ!」


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今なら、手軽なメールに依存してしまうところ、当時は電話は高額、手紙が常套手段だったけれど、こうして作品にもなる「てがみ」の尊さを思い知らされた。 これもひとえに須賀敦子という作家なればこそである。


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      訃報を知ったのは新聞、悼む記事のスクラップが出てきた

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  酸味がなく甘~い: 晩年の須賀敦子はこの「王林」が好きだったらしい

2017年10月24日 (火)

『トーマス・マンの亡命日記』をひもとく

わが家の猫が夢中で読んでいた本は文豪、トーマスマンの亡命中の日記を解説した池内紀著の中公新書本。 妻がユダヤ人であり、ナチ体制に批判的だったマンはついに、母国から「排除」を余儀なくされ、20年にも及ぶ亡命生活。その間、講演やラジオを通じてヒトラー打倒を訴え続けた。

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マンの日記から彼の交友関係や当時の状況をひもときながら、現代史を覗いてゆくのはとても興味深い。 ネットなどがない時代に、世界情報をキャッチするアンテナの高さに敬服。日本の二・二六事件にも言及している。

clipマンには日本のニュースに人一倍の関心を持つ個人的な理由があった。妻カトヤは男女の双生児に生まれ、男の子のクラウス・プリングスハイムは音楽家として知られ、招かれて1931年より東京・上野の音楽学校の教師をしていた。スイスの新聞で「日本の首都でクーデタ」の見出しを目にとめたとき、まず真っ先に妻の兄弟を思い、安否を気遣ったはずである。clip

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あああ、マンの作品をもう一度読み直したい。若者よ!お願いだから読んでみて!・・・と懇願するのは老婆のたわ言なのだろうか。

★ それにしても我国の宰相人気は何なんだろう?解せない。

 

2017年9月18日 (月)

『満州』って何?

まだ幼い頃、満州育ちの母はよく満州の話をしていた。 主に女学校時代のことが多かったが、当時の中国人や満鉄の話もしていた。日本のことを「内地」と呼んでいたのも不思議だった。

満州って地図にも載ってないし、どこにあるの?と聞いたことがある。今の中国だと母は答えたが、その後、中学でも高校でも満州のことを学ぶことはなかった。 卑弥呼や聖徳太子のことは丁寧に学習するのに、こと近代史になると駆け足で通り過ぎた感じがする。

いつかはっきりと「満州」について知りたいと思う気持ちが募っていたのだが、本著を読んでやっと辿り着いた思いがする。 史実を踏まえた上で、名画「ラストエンペラー」などを観るとより深い理解ができ、満足度がアップする。

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プロローグ

「満州」という言葉を聞いてどんな風景を思い浮かべるでしょうか。ーどこまでも続く地平線、果てしなく広がる大豆畑ー

「満州」ーそれはユートピアの名であり、血塗られた大地の名でもあります。「植民地」ーこの言葉を今私たちは遠い世界の言葉、他人事のように効いていますが、何を隠そうわずか70年前、日本はこの満州を植民地にしていたのです。

雪玉は誰にも止められぬ雪崩となった

大日本帝国を太平洋戦争に招いたものは、暴走して泥沼化した「やめられない」日中戦争。 日中戦争が解決できないから、やけっぱちになって、アメリカやイギリスに戦争を仕掛けた。

その日中戦争を招いたのは満州事変であり、満州国の存在。 日本人は皆で歯を食いしばり、奮闘努力して、ろくでもない方へろくでもない方へと進んで行き、あっという間に、沖縄戦という悲劇を招き,都市という都市をナバーム弾で焼かれ、原子爆弾による攻撃を受けた。

満州の崩壊ー脱植民地化へ

日本は立場主義。 「私はそのときの立場に従って役を果たしただけだ」 「その立場に立てばだれでもそうするだろう」「国策に反することは立場上できない」・・・とまるで、アイヒマン。そう考えるのであれば、学ぶ・教わる必要もないし、学ばせる・考える必要もない。

そして現在も

言うことを聞かなければ、補助金を貰えない・言うことを聞けば使い切れないような補助金が降ってくる。 

今、まさに原発立地でも核廃棄物処分問題でも沖縄基地問題でも。飽くことなく繰り返されている日本政府の、つまり立場主義者たちの、18番の手法である。

2017年6月16日 (金)

今、読んでいる 『本』

ズッ~ト気になっていた「本」を読んでいる。 若き日に「アンネの日記」を読んで以来、ナチスってナニ?ユダヤ人ってナニ? ヒトラーってどんなヒト?・・・という疑問がまだまだ解決されていない。

ナチス(国家社会主義ドイツ労働党)の聖典とまで言われた本書のページをめくってみたいという好奇心。 めくってみると、言葉そのものが難しくはないのだが、頭を整理しながら・・・メモを取りながら読んでみても、理解に苦しむ。 途中で嫌になって、コレハもう下巻には辿り着かないよな~という諦めがこみあげてくる。 

とにかく、マルクス主義とユダヤ人が大嫌い!もう、批判というより悪口の限りを述べている。人権侵害も甚だしい。 チョビ髭をはやし、手を振りかざしてがなり立てる演説に人民はなぜ夢中になり、ナチを太らせていったのだろうか・・・・。ヒトラーの真意を、多くの市民が見誤り、国民の運命を託した市民一人一人の責任なのだろう。

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翻訳者の平野一郎氏の解説によれば、本書は国事犯として収容されていた間に、協力者のモーリスとヘスに口述した。殆どが片腕となるヘスが筆記、校正はユダヤ新聞記者で神父のシュテンプレとナチ機関紙の記者ツエルニー。自らペンをもってしたためた書ではなかった。

アア・・・認知症が悪化しそう il||li _| ̄|○ il||li

2017年5月12日 (金)

フェンスの中の群生

最近、人並みに外科への通院が始まった。徒歩も運動のうちと一駅歩くことにした。途中、ガード下のフェンスの中にカワイイ黄色い花の塊が、まるで牢獄から手を出しているかのようだ。

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わが家の花壇にも見受けられる雑草=「かたばみ」の群、ぺんぺん草なら見過ごされるところだけれど、明視度の高い「黄」なればこそ、足を止めたくなるのだ。

2017年3月29日 (水)

イスタンブルが匂う ~ 『僕の違和感』 早川書房

著者のオルハン・パムクはノーベル文学賞受賞者、それゆえ日本でも翻訳本が手に入る唯一のトルコ文学者。 パムクは生粋のイスタンブルっ子で西洋の文化のなかで過ごしてきた。 本作品にはイスタンブルの街のメイン広場や路地に至るまで、イスタンブルの香り満載、馴染みの通りを地図でたどると観光とはまた違った「歩き方」ができる。

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時代背景は1950年代から2012年まで、主人公は地方から仕事を求めてイスタンブルへやってきた。父親とともに、一夜建ての家(Gece Kondu)に住みながら、ヨーグルトやボザの呼び売りをして糊口を凌ぐ。 いつの間にか巨大化していくイスタンブル。

旧ビザンチン帝国の文化と遊牧民文化が混合した街の喧騒と匂いが手に取るように感じられる。 イスタンブル愛好者にとってはたまらない一冊heart04

★訳者は新進気鋭の若手トルコ文学者:宮下遼氏

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ボザ: Boza

Boza_satici_3 雑穀(ブルグルと呼ばれる穀物、粟や大麦など)を発酵させたものから作られる不思議な飲料ボザはシナモンやヒヨコマメの粉で飾られる黄みがかった濃度の濃い飲物。甘いような酸っぱいような何とも表現しにくい味のするボザは冷たい飲料で冬の代表的な飲物とされています。ボザは単独で飲むものであり、決して食事時に飲まれる飲料ではない。

 
ボザジと呼ばれるボザを売り歩く人が寒い冬の夜、「ボ~~~~ザ~~~~」と独特の声を張り上げ、木の樽を肩から下げて昔ながらの商法で街を練り歩く。ボザだけを売るボザ店というものや小袋入りのインスタントボザもスーパーで販売されている。 (photo by JP-TR)

ゲジェコンドゥ(gecekondu): 一夜建ての家

他人の私有地や公有地に許可を得ないまま建てられた不法建築のトルコにおける総称。一夜にして建築したかのような非常に粗末なバラックを指すものであったが、現在では建築業者が施工した鉄筋コンクリート建ての建築物もごく普通に見られる。

2017年1月13日 (金)

『往復書簡』 ~ 初老の恋

作家の野上弥生子(1885~1985)と哲学者の田辺元(1885~1962)との書簡集(1950~1961)が2002年に岩波から刊行され、『老いらくの恋』と評判になった。

北軽井沢に夏場だけ逗留する野上と在住の田辺との手紙の往復は今ならメールとか電話で事足りるのであろうが、当時ならではの「文」だったのである。 二人とも伴侶は失っていたので「不倫」とかの安っぽいものではなくお互いに深く尊重・信頼し、単なる愛とか恋とかではなく、ハイデッカーやキルケゴール、ハイネ、リルケ、エックハルト等々が登場し、格調高い文章で綴られている。

北軽では徒歩10分足らずの住まいだったにも関わらず、連日のように手紙が届く(お手伝いさんが届けてくれたらしい)。 野上が在東京時には、一人暮らしの田辺を気遣って、福砂屋のカステラや空也最中、魚久の粕漬や果ては寒かろうと電気ストーブなども届ける。冬場はインクが凍ってストーブで溶かしてからという表現も当時の寒さを思い起こさせる。

二人はともに感性を磨き上げ価値観を共有し、各々の仕事に向きあう。最後まで「奥様」と「先生」という呼び名で礼儀正しい、まさに「純愛」ともいうべき関係に感動。 スタンダールの恋愛論の結晶作用がそのままになったかの如くである。

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1954.3.20: 野上から田辺へ

 
 Yjimage_2ビキニの島の死の灰のことにつき一筆いたします。あれは新聞などには出ておりませんが、どうも米の方で学術的に『計算のまちがい」があったらしいと申すのが素粒子の仲間の批評のようでございます。

今度の原子炉の設立のもんだいも多くの議論を生じておりますが、私は茂吉郎(弥生子の次男、物理学者)に申し聞かせました。あまり潔癖に拒絶して、もしアメリカの連中が雇われて実行にうつされるようになっては取り返しがつかないから、その点は用心すべきであると。素粒子の仲間もこの頃はそれも考えているふうでございます。

1956.03.30: 田辺から野上へ

Tanabe_5水爆についての色々のはなしを聴いたり、読んだりして居ますと、人間の将来に悲観的になります。日本の国会が原爆国際管理の決議をしたところで、日本民族そのものが国際的軽蔑をまねくような政治を改めることもできないありさまでは、決議も権威をもちますまい、首相の外遊など国辱のものでございましょう。とにかく毒をもって毒を制する意味で、疑獄追窮が内閣を早くつぶすことをきぼうせざるを得ませぬ。

シクラメン緑葉に映えて紅の色なづかしき君が押し花

1956.01.08: 野上から田辺へ

 その時の湯川さんの印象は、私どもの概念にある学者というもののタイプとは全然遠い感じで、いまに日本に原子力産業会社という風なものができたら、社長になれる、と帰って笑い話をいたしました。 

正力の下で、石川一郎などと仕事するのはいっそふさわしいかとさえ存じられます。中間子を見つけたって、人間が別に偉大になるわけでも進歩するわけでもございませんから、多くのそ期待をかける方が間違いかとも存じられます。

野上弥生子は田辺元没後、20年の年月を過ごすことになる。

実に不思議なことに、極右哲学者、埼玉大学名誉教授・NHK経営委員・日本会議代表委員の長谷川三千子氏は野上弥生子の実の孫娘なのである。DNAも孫の代になると希薄になるということだろうか???実は長谷川三千子という「人物」がどんな家庭環境だったのだろう・・・と調べてみてビックリだったのでした。


 

2016年11月 4日 (金)

ネコも読書

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読書週間なので、わが家のネコにも到着したばかりの本、 イスタンブルの友人の母上(児童文学者)Havva MUTLU さんの作品をを与えましたところ真剣に読んでいます。 トルコ生まれの猫なので、よく理解できるようです。イスタンブルが恋しいと涙ぐんでいます。 

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子ども向けの本と言っても、日本の子供向けに翻訳するのはかなり難しそう。主人公の二人の子供たちがイスタンブルパムッカレの名所旧跡を訪ねるという設定なので、まず、それらがどこにあるのかの説明から始めないと・・・・・(=^・^=)

おばさんにも難しそうですが、頑張って読みましょうheart04

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