雨の日の『子規庵』
鶯谷から徒歩数分、路地をウロウロして、念願の子規庵をやっと訪ねた。
こんな玄関は子供時代にはよく見かけたので、懐かしい。 この玄関からは多数の著名な文豪たちが出入りしていたらしい。たった二間の狭い座敷によくぞ集まったものだと感心する。(正岡子規:1867~1902)
この部屋で庭を眺めながら、闘病しつつ創作を続けた。この机の四角い穴が気になった。火鉢を置いて手をかざすための穴か? 実は、結核性脊椎カリエスで正座のできない左足を立てるための、特注机のレプリカだという。(本物は隣の文庫蔵に保存)
この机にしがみつきながら、「病臥六尺」を書いたという。
今年の糸瓜の苗がすくすく育っている。
大正12年、関東大震災で家屋傾くが、保存会により、改築。其の後、大空襲にて焼失したが、文庫蔵は残る。 昭和25年、門人等の尽力により、ほぼ当時のままに再建。
残念ながら、令和の今日、周囲にはギンギラギンの御休み処が所狭しと目に入る。そのうちに、この「庵」も明治村に移転されそうな気がする。コロナ後はボランテイアも集まらず、運営困難な状況であるらしい。
母と妹に看取られながら病魔との壮絶な戦い。
首あげて折々見るや庭の萩
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