『天才デザイナー』 ~ 三宅一生の訃報
もう10年以上も前のこと。
誘われて、詩人の高橋睦夫氏のスケッチ展を見に銀座の画廊へ行った。そこには白い服を着た小柄な男性が居た。彼が何者であるかは全く認識していなかったのだが、署名をして出て行った。自分も署名をしようとしたとき、何と三宅一生とあるではないか・・・。狭い空間の中で、友人と彼と3人でおなじ空気を吸っていたのだった。
ブランド服などとは金銭的にも体形的にも縁がない生活だったが、唯一、彼の作り出す服には興味があった。古着屋でゲットしたり、裕福な友人のお下がりだったり・・・今でも何着か持っている。ヨレヨレになっても愛おしい。
日本文化の合理性について、柳宗悦の直弟子だったという人から手縫いの服作りを学んだことがある。例えば着物は解けば一枚の布に戻る。襖は大広間から小部屋に自由自在。引き戸も理にかなっている。折り紙も・・・。
三宅一生デザインの原点もその辺にあるのではないかと常々思っていた。天才デザイナーが消えたことを心から残念に思う。
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