世界を揺るがすコロナ禍でのオリンピックという危険な橋を渡ろうとしている。そんな矢先、「ワシントンポスト」の記事が話題になっている。 何度も賞を獲得した、定評あるスポーツ記者によるコラム。
それにしても「ぼったくり伯爵」とは、名訳だと、思わず拍手をしたくなった。日本のメデイアには発信できないナニカがくすぶっているから。そのコメントに耳を澄ましてみる必要があると思う。
以下抜粋:

【ワシントン=共同】
米有力紙ワシントン・ポスト(電子版)は5日のコラムで、日本政府に対し東京五輪を中止するよう促した。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼び、新型コロナウイルス禍で開催を強要していると主張。「地方行脚で食料を食い尽くす王族」に例え、「開催国を食い物にする悪癖がある」と非難した。
コラムは大会開催を前進させている主要因は「金だ」と指摘。IOCは収益を得るための施設建設やイベント開催を義務付け「収益のほとんどを自分たちのものにし、費用は全て開催国に押し付けている」と強調した。その上で、日本政府は五輪中止で「損切り」をすべきだと訴えた。
五輪に否定的な報道は米国で相次いでおり、ニューヨーク・タイムズ紙は4月、コロナ禍の五輪開催は最悪のタイミングで「一大感染イベント」になる可能性があると指摘。サンフランシスコ・クロニクル紙は5月3日、世界で新型コロナの影響が長期化する中、東京五輪は「開催されるべきではない」との記事を掲載した。
ワシントン・ポストのコラムは日本が既に当初費用を大きく上回る「250億ドル(約2兆7千億円)をつぎ込んだ」とし、膨大なコロナ対策費用が今後かさむとの見通しを説明。国外からの観客を受け入れず、観光収入も見込めないとした。どの報道も突きつけているのは、オリンピックは人の命を犠牲にして、国民が我慢してまでやるほどのものではないのに、「経済優先か人命優先か」という、いまだに煮え切らない日本のトップの決断だ。

「一体誰のためのオリンピックなのか」と、世界の平和とスポーツの祭典のはずが利権にまみれ、その一方で巨大なマネーゲームの犠牲になる人や国が少なくない。東京オリンピックの行方は、今後のオリンピックのあり方自体を考え直すきっかけにもなりつつある。
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