春哀し
春の行事は多々あれど、もの寂しさににも襲われる。人間も老化すると、すでに鬼籍に入ってしまった親しい人たちのなんと多いことか・・・。 アルバム整理をはじめたら、懐かしい過去の記憶が蘇り、手が止まってしまう。モノクロから始まって、カラーのボンヤリ色褪せた写真。今は、デジカメだからアルバムをひもとくということはないかもしれない。
ミニスカート、ラッパズボン、細長いフランスパン、ピザ、銀座も都電が走っていた。過去にすれ違った人たち。もうすれ違ってもわからない。小さい写真はルーペで、この人は誰だろう? ああ、○○さん・・・今頃どうしているだろう? あの時の洋服の色は○○だった。懐かしいけれど、そんなヒトコマは自分以外に何の価値もないこと。 思い切って断捨離!
旅の写真が重なり合って、どこがどうだかわからなくなって、こんなことなら、名所旧跡の前で証拠写真を撮らなくても良かったのになあ・・・。 今年も桜が咲いた、実に様々な過去が想い出され、ひたすら哀しくなる。 世の哀れとわが身の哀れが重なり合う。
マンションの庭に蔓延っている酢漿草(カタバミ)を摘んで、部屋に飾ってみる。夜は萎んで朝は開く。健気な雑草。
♪ 悪き世と言い捨ててふとさみしき咳 (宏翁)
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