『悪の華』 ~ リリイ
「暗い深淵から出てきたか、明るい星から生まれたか? ぞっこん惚れた『宿命』が子犬のように後を追う。 気まぐれにそなたは歓喜を災害を処かまわず植え付けて、 一切を支配はするが、責任は一切持たぬ」 ボードレール
本著はボードレールの有名な一節から始まっている。読み進むうちに、過去に自分が見聞きして、イメージした点と点がしっかり線になった。芦屋のお嬢様の出、カイロ大学主席卒業、アラビア語ペラペラという鳴り物入りでさっそうとメデイアデビュー。竹村健一に寄り添う姿を想い出す。つぶらな瞳で利用価値のあるおじさま方にピッタリ。あっという間に政界へ、環境大臣と防衛大臣の座に昇りつめ、今や、連日都のコロナ感染者数を発表しているが対策は見えない。
したたかで、嘘つきな人間は万と居るけれど、ここまでの大嘘つきはほぼ犯罪か病気かまれにみる大天才! 銀座の有閑マダムならともかく、血税を預かるリーダーだとすれば、大問題である。
書店で山積み、単なる暴露本かと思いきや、丹念な調査に基づいているので反論のしようがないだろう。途中でウンザリ、ため息がでたが、読み終えた。 図書館では2年待ちぐらいの、時間がかかりそう。 数人で共同購入、回し読みが良いかもしれない。 これでもB層はリリイを選択するのか????・・・
夏マスクに緑の制服、テレビ登場のさかしらな知事を見るたびに、侘しくなる。
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