憧れの友、97才で逝く
大先輩の憧れの友人の訃報が届いた。 映画が好き、ミステリーが好き、プレスリーが好き、猫が好き・・・・。アガサ・クリステイの大ファン。 愛煙家、ペンネームは栗栖てい。
映画の生き字引、殆どの名画は公開同時に見ていた。山月記の著者、中島敦の教え子。 アテネフランセでフランス語を学び、戦時中には某劇団員でもあったらしい。 外国へ行ったこともないのに、いろんなことに精通していたのは映画のおかげといつも言っていた。 少女のまんま大人になったような、実にチャーミングな女性だった。
ところが、その人生はかなりドラマチック。 娘さんが言うには、
「母は結婚したことはないんです。 戸籍上は私の姉になっているんです。 父がどこのどんな人だったのか知りたかったわ。 おばあちゃんが亡くなったときはワーワー泣いたけど、母の時は涙が出なかった。 母は献体志願していたので、遺骨は2~3年後に戻ります。」
母娘の確執が存在したことを知るにつけ、彼女らしい!と納得。
30年前の栗栖てい
プレスリーのバラードに耳を傾けて冥福を。
手に秘めし薔薇捨てばやな秋の風
(彼女の好きだった句: 詠み人知らず)
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