『トーマス・マンの亡命日記』をひもとく
わが家の猫が夢中で読んでいた本は文豪、トーマスマンの亡命中の日記を解説した池内紀著の中公新書本。 妻がユダヤ人であり、ナチ体制に批判的だったマンはついに、母国から「排除」を余儀なくされ、20年にも及ぶ亡命生活。その間、講演やラジオを通じてヒトラー打倒を訴え続けた。
マンの日記から彼の交友関係や当時の状況をひもときながら、現代史を覗いてゆくのはとても興味深い。 ネットなどがない時代に、世界情報をキャッチするアンテナの高さに敬服。日本の二・二六事件にも言及している。
マンには日本のニュースに人一倍の関心を持つ個人的な理由があった。妻カトヤは男女の双生児に生まれ、男の子のクラウス・プリングスハイムは音楽家として知られ、招かれて1931年より東京・上野の音楽学校の教師をしていた。スイスの新聞で「日本の首都でクーデタ」の見出しを目にとめたとき、まず真っ先に妻の兄弟を思い、安否を気遣ったはずである。
あああ、マンの作品をもう一度読み直したい。若者よ!お願いだから読んでみて!・・・と懇願するのは老婆のたわ言なのだろうか。
★ それにしても我国の宰相人気は何なんだろう?解せない。
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