『ラストコンサート』 ~ アズナヴール永遠に
6月16日: これぞ最後のコンサートだろうと雨の中をNHKホールへ。昔のように、ワクワクはしなかったものの、どんな「唄=作品」を演じてくれるのだろうか、声の衰えは大丈夫か、舞台で転倒などしないだろうか、と心配のほうが先に立つ。 ワタシのアズナブールも御年92歳なのだから・・・。
ラストコンサートは73歳の厚生年金ホール、83歳の東京フォーラム、今回のNHKホールと3度目。 もしかしたら、白寿のコンサートも?
満席の観客を前に、現れたのは昔と変わらないアズナブールだった(席が遠かったので顔の皺は見えない)。 確かに、以前に比べれば、音程がイマイチ、声の伸びないことはあっても、幕間もなく、一気に歌い上げて、あっという間のラストコンサート。 胸が熱くなった。それを「奇跡」という人もいた。
しゃがれ声で、唄い演じる。舞台に消えてしまいそうな、シックないでたち、しかし椅子に座って唄う時、靴下の赤がチラッと見える。 途中で上着を脱いだ時の赤いサスペンダーが「粋」。 ステップを踏みながら舞台のそでへ消えて行った。 拍手喝采ブラボーが飛び交う。 花束が次から次へ・・・
開演30分前:入り口にはすでに老若男女の列が。 二階席までS席。VIP席は発売同時に売り切れ。それもそのはず、芸能人であふれていた=ズルイ!
ああ、まもなくアズナブールに会えるのだ・・・
1924年、パリ生まれ。両親はジョージア(グルジア)とアルメニア(トルコ)からの移民。 母方の祖母はトルコで亡くなったという。 子供のころから舞台に立った生粋の芸人。 エデイット・ピアフに見初められ、育てられたのは有名な話。
シャンソンの魅力はパリの異邦人(移民・難民)を受け入れた土壌に育まれたところから生まれた詩(ポエジー)にあると思う。
シンガーソングライターであるアズナヴールの作品は永遠に唄い繋がれて行くことだろう。
「ファーストクラスでゆったりとパリへ帰って欲しいわ~」という声が聞こえた。彼のファンはとっても心が熱いのである。
♪ 梅雨の宵青春唄ふアズナヴール ♪
« 『小さな巨人』 ~ 中村哲医師の講演会 | トップページ | 古希なので・・・ »
「音楽」カテゴリの記事
- 『哀しい曲』 ~ 木の歌 by John Williams (2024.02.10)
- 『玉三郎のシャンソン』(2022.12.24)
- 『眠れる音楽』♪ ~ キャサリン・ストットとヨーヨー・マ(2022.10.06)
- ♪ オルガンとテノールの響き ♪ ~ 東京オペラシテイ(2021.09.07)
コメント