久しぶりのトルコ映画 ~ 『雪の轍(わだち)』
待ちに待った、トルコ新進気鋭の監督、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(Nuri Bilge Ceylan)の作品がやっと上陸。 字幕で公に観賞できるのもカンヌ映画祭、パルム・ドール受賞の賜物に相違ない。 (2012年には監督賞も受賞)
小さな映画館だし、おそらくガラガラだろうと予想したら、何と満席。3時間15分という長編にも関わらず、居眠りしている人はいなかった。
人間の心を深く描き出し、映像にも登場人物にも全く無駄がない。 まるで、巨匠ビスコンテイとベルイマンが甦ったような・・・・・これは、かなりの秀作であり、哲学だ! 考えるヒントが散りばめられている。 あらすじを言うのは野暮、ぜひ映画館へ。
原題は「冬の眠り」、決して明るくはないけれど、トルコ特有のしつこさ = 理屈っぽさもあり、見終わって、『雪の轍』の方が、適していると思った。 舞台を見ているような錯覚をも覚える。 原案はチェーホフ。
Celayn監督: 1959年イスタンブル生まれ、15歳にして映像に夢中になる映画っ子。自ら脚本を書き、俳優でもある。これを機に他の作品群も是非鑑賞したいものです。
■ヌリ・ビルゲ・ジェイラン映画祭2015
開催期間:2015年9月29日(火)~10月3日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)
上映作品(予定):『カサバー町』(1997)、『冬の街』(2002)、『うつろいの季節(とき)』(2006)、『スリー・モンキーズ』(2008)、『昔々、アナトリアで』(2011)
※シンポジウム実施予定。
【問い合わせ先】
アテネ・フランセ文化センター
TEL:03-3291-4339
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