映画 『縫い裁つ人』 ~ きめ細かな映像
なぜか、この映画をどうしても見たいと思った。 マイナーな映画だし、それほど混んでいないだろう・・・・と思ったら、「お席はあと3席です」と言われた。 ミニシアターとはいえ、連日満席ですとのこと。 観客を見渡せば、品の良い女性ばかり(おじさんも少し)・・・。 コレハ当たり!だと予想した。
映像の始まりは、先ず、『ハサミ』そして『ボタン』がアップ。 西洋の古いムード漂う仕事場に、足踏みミシンが一台。 主人公は祖母の洋装店を引き継いでいる。 祖母が縫った洋服のお直しも引き受けている。 まだ若いのに「頑固じじい」のように祖母の流儀を守っている。 タイトルはぬいたつ人ではなくつくろいたつ人である。
作品の洋服は「買わない理由が見当たらない」というほどのセンスの良さ。ブランドにしないかと企業から再三話を持ちかけられても答えは「No」。
使い捨て時代の現代に、服をいとおしむ心と優しさの大切さを訴えかけ、最後にジワーッと目が潤むほどの感動を与えてくれる。 公式HP → http://tsukuroi.gaga.ne.jp/
監督三島有紀子のコメント:
● 「いつかテーラーという職人の生き方を撮りたい」と思っていたそうですね。
父が神戸のテーラーであつらえたスーツを生涯ずっと大切に着ていたんです。そこで、いつか「洋服のつくり手」を描く作品を撮りたいと思っていました。
● 監督という仕事も主人公、市江のように「自分と向きあう仕事」だと感じています。
向きあうばかりです(笑)。今回の撮影では「市江にとって本当に大事なことはなんだろう?」と考えつづけました。それはつまり、「自分にとってなにが大事か」を考える作業でもありましたし、他者と向きあい続ける作業でもありました。
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