『幸せのありか』 ~ ポーランド映画
ポーランド映画をよく見る。 国の歴史事情からか、リアリテイーとポエジーがうまく交差している作品が多いと思う。
実話に基づいた、本作品の主人公は「脳性まひ」。 話せず、動けず・・・しかし、聴力と視力がある。 瞬きをすることで交信できることを発見!
主演者自身が患者である・・・というふれこみのまま見終わって驚いた。 最後のワンカットは実際のモデルと主演者が絵文字を通して交信しているではないか!
いろいろな病気を抱えながら生きている人たちとその家族がいる。特に、母の力は絶大だが、成長とともに、介護が難しくなる。 家族の想い、施設のスタッフ、隣人などなどが自然に表現されている。 兄姉たちも決して見捨ててはいないけれど、彼だけのためには生きられない。
主役マテウシュを演じるダウイド・オグロトニク(1985年生まれ)は役になりきるため、障がい者に会い、パントマイムの指導を受けるという猛烈な特訓を続けたそうである。
監督のマチェイ・ピエブシツア1964年生まれ、ジャーナリストでもある。ユーモアもあり、観客は少しの笑いと少しの涙に見舞われる。後味の良い作品であった。
岩波ホールで2月13日まで: 公式サイト→ http://www.alcine-terran.com/shiawase/
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