「凍土壁」は成功するか? ~ たんぽぽメルマガNo.2338
いろいろ新しいことが起こるので、3・11はもう過去の話になってしまいつつあるけれど、地震の度に、首相Aの言うようにコントロールされていない原発が心配になる。たんぽぽメルマガでは凍土壁は、成功すると思いますか?-という質問を京都大学の小出裕章氏への質問が掲載されていました。
○ 失敗するとおもいます
私は2011年3月に事故が起きたあと、5月の時点で、原子炉建屋の周囲にコンクリートで遮水壁を張り巡らせるべきだと提案していました。政治家たちにも、何人にも伝え、やると言ってくれたんですが「6月に東京電力の株主総会がある。遮水壁を作ろうとすると1000億円のお金がかかってしまう」、そう言って東京電力がその案をとらなかったのです。
遮水壁ができないまま、ずるずる時間が過ぎていって、ようやく1年前くらいに、
国と東京電力が「遮水壁を作らなければ」と、造ろうとしているのが凍土壁です。
凍土壁というは、トンネルなどを造る場合に、その周りだけ凍らせて、地下水流入
を防ぐという技術なんです。福島第一原発で作ろうとしている、周囲1.4キロ、深さ
30メートルの土壌を凍らせるなんて、いままで世界中で成功した例がありません。
どこか1カ所でも凍らなかったら、そこから水が入ってきてしまうのですから、何の意
味もない。ただし、ゼネコンは喜ぶのです。とにかくやれば、お金が入ってくる。
やって失敗すれば、次の案を出せばいい。またお金がもらえるわけですから。
凍土壁は失敗して、ちゃんとした遮水壁を造らなければならないということになる
と私は思いますが、もうあまりにも遅すぎるんです。3年半の間に大量の汚染水が海
に流れてしまいましたし、遮水壁が完成するまでにも流出は止まりません。
でも、やらなければならない。その間も労働者は被曝をし続けてしまいますが。
○ 一方で再稼働を目指す動きは進んでいます
現在、国内で使っている電気は完全にニュークリアフリー。 54基ある原発は1基も動いていないのです。このまま原発稼働を止め続けていきたい。
しかし、自民党政権は、福島の事故をなかったことにして、再稼働を進めようとしています。その一番乗りを九州電力の川内原発でやろうとしているのですが、1基でも動かしてしまったら、次々と再稼働がなされてしまうと危惧しています。そのためにジャーナリスト
やメディアにも力を貸していただきたいのです。
(出典:「紙の爆弾」12月号のインタビュー記事より)
凍土壁とは: 事故を起こした原子炉からもれる水が地下水を汚染するのを防ぐため地下まで凍結管を打ち込み、土を凍らせて地下水をブロックする方法とのこと。 どんどん建設して、事故ったら『方法が無い!』ナンテ原発を知らない非文明的な話ですよね。対岸の火事と思える人にとっては痛くも痒くもない事なんだろうけど・・・・・
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