点と線 ~ ジプシーの音楽
暑さも相まって、先週は映画通いが続いた。 伝説のフラメンコダンサーの生誕100年を記念して製作されたドキュメンタリー「ジプシー・フラメンコ」と伝説のヴアイオリニストを描いた「パガニーニ」、両作品とも映像から観客席へ汗が飛び散ってきそうな迫力。
子供時代から馴染んでいる有名なヴァイオリン曲、サラサーテの「チゴイネルワイゼン」が実はジプシーの旋律の意味であることを知ったのは大人になってからのこと。
フラメンコを芸術の域に高めたカルメン・アマジャ(Carmen Amaya 1913-1963)血族の母娘が固い絆で結ばれたバルセロナジプシーのアマジャの遺産、妖気と神秘性を受け継ぐ。
今では、ジプシーは差別用語なので「ロマ」と言うべきだという意見もあるが、この映画はあえて「ジプシー」というタイトルにしている。 ヨーロッパを旅していて、茶褐色の皮膚に黒い大きな瞳の子供たちに囲まれてお金をねだられた経験はないだろうか?
彼らもまたナチによって絶滅収容所へ送られた民族である。 その音楽に哀愁があるのもうなずける。
そして、プロのヴァイオリニスト、デビット・ギャレット(David Garett)が演じた「愛と狂気のパガニーニ」は圧巻!
悪魔に魂を売り渡したというパガニーニになりきった演技力はどこから?1981年生まれのこの熱血ヴァイオリニストは主演と総監督・音楽も担当した天才らしいけれど、ベッドシーンもやってのける俳優でもあるわけだ。 5億円のストラデヴァリウスでのド派手な演奏。見終わった後も、曲がしばらく耳に残って現実離れ状態。
ファッションモデルでもあるマルチタレントミュージシャン、末永い活躍を祈りたい。
<写真:公式ホームページ>
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