嬉しいメール ~ 紫式部と朝食
トルコの日本文学研究家で紫式部日記の翻訳者:Esin ESENさんから 「すばる」7月号にエッセイが掲載されたので読んでくださいとのこと。
さっそく本屋へ駆け込んだ。 久しぶりに手にする文芸誌は新鮮な青い匂いがする。
トルコでも日本文学の世界が少しずつ芽生えて着実に成長してきているようである。 今後の活躍がとっても楽しみ
イスタンブルの紫式部、平安京の笑心(エシン)
. 紫式部に、この春のイスタンブルを見せてあげたい。そうだ、まずは夜明けのボスフォラズ海峡へ連れて行こう・・・・。空のうすむらさきが桃色にそまっていくあの時間に、二人で岸辺に立って、街の輪郭が物語るその過去に耳を傾けるのだ。なにせ、いつも騒がしいイスタンブルがもっとも静かな時間だから。
打ち寄せる小波の囁き、藁を編んで作った箒で地面を履く音。チャイをかきまわすスプーンの音・・・・。それが、この町の眼ざめの音だ。 海の匂い、都市の声に囲まれて、一緒にゆっくりと朝食を摂るのだ。
紫式部は文章の中で、ただの一度さえなにを食べたのか記していない。匂いにまつわる記述も皆無だ。 だから、彼女と食事をしたら、そのときこそ味覚と嗅覚がもたらす喜びを感じてほしい。 (内容を一部掲載)
Esinさんと式部がボスフォラズ海峡を眺めながら朝食・・・・・何を語るのかそっと聞耳をたててしまいそう。 想像しただけでワクワク
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