ジャクリーヌ・デユプレのチェロ
ジャクリーヌ・デユプレ(1945-1987)はチェロを弾くために生まれたとデビュー以来絶賛をあびるも、71年多発性能脊髄硬化症に襲われ、活動中止を余儀なくされた。 日本演奏もキャンセル。
ストラデイ・ヴァリウスのチェロ(ダヴィドフ)を抱えての演奏旅行はかなり体力のいることだったであろう。 エルガー(威風堂々で有名な)のチェロソナタは彼女によって息を吹きかけられたと言われ、巨匠、カザルスの感涙を誘ったそうである。
狂ったように激しくチェロに挑みかかる。身をかがめて弓で猛烈な強打を浴びせ、うしろにのけぞって繰り返しチェロに迫る・・・・小麦色のたてがみが激しく揺らいだ・・・・実物を見たこともないのにコンサートで聴いているような気分。
夫であるバレンボイムのピアノが邪魔にすら感じる。彼女のチェロだけを聴きたい。
伝記「ジャクリーヌ・デユプレ」青玄社の著者キャロル・イーストンはジャクリーヌの肖像を正確で完全なものにすべく、情報収集に撤し、幼年時代から42歳で生涯を終わるまでの様々な部分に光を当てている。
神童(天才)特有の精神的バランスに欠けていたせいか女学生のように無邪気な面があり、結婚時に夫の宗教であるユダヤ教に迷いもなく改宗、イスラエルでの活躍も多かった。日本での演奏を実現して欲しかった幻のチェリストである。
(du Pre & Brenboim: ベートーベンチェロソナタ CDジャケット)
♪今、彼女のチェロであった名器「ダヴィドフ」は誰が弾いているのだろう・・・♪
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あら・・・・そうだったんですか・・・・w(゚o゚)w
手元のヨーヨーマのCD再確認したら、ポスターに古めかしいチェロを弾いております。
ジャッキーの魂が乗り移った「ダヴィドフ」なんですね、きっと。
投稿: elma | 2014年5月14日 (水) 22時08分
ダヴィドフ、現在はヨーヨー・マの手にあるようですよ。
投稿: パンダ姐 | 2014年5月14日 (水) 11時32分