『アイヒマン調書』 ~ 岩波書店
映画「ハンナ・アーレント」を観たら、どうしても読みたくなった。
アイヒマンは尋問に対して、最後まで「私は命令に従っただけだ、殺してはいない」と言い張った。ナチス戦犯のアイヒマンが逃亡先のアルゼンチンからイスラエルへ連行され、8か月、275時間に及ぶ尋問が行われ、アーレントに悪の凡庸さ(陳腐さ)と言わしめた録音記録である。
『上からの命令に忠実に従うアイヒマンのような小役人が思考を放棄し、官僚組織の歯車になることで、ホロコーストのような巨悪に加担してしまうこと。
悪は狂信者や変質者によってではなく、普通に生きていると思い込んでいる凡庸な一般人によって引き起こされてしまう』
アイヒマンの携わった仕事とはユダヤ人を絶滅収容所へ移送することであった
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私にとっては「一葉」の文体は難解で、途中で挫折しそうです(゚ー゚;
投稿: elma | 2014年3月14日 (金) 19時23分
いい本をお読みですね。
私は最近、ご時世を追うのにウンザリしてしまい、
明治や中世のものばかり、読んでいます。
「春浅し明治は近くなりにけり」ですかね。
草田男に叱られそう・・・。
投稿: こはる | 2014年3月14日 (金) 14時56分