哲学者 「ハンナ・アーレント」
年末、連日満席の映画「ハンナ・アーレント」をやっと見ることができた。 映画館の階段から受付まで長蛇の列。並んでいるのはどの顔も決して若くはないオジさんオバさんたち。
この盛況の理由は何なんだろう・・・と考える。アーレントの物語ではなく、ナチ戦犯、アイヒマンの裁判レポートがテーマである。 果たして観客はどこまで理解できたのであろうか?
とにかく、ハンナ・アーレントに近づきたい!日本人にとって遠いユダヤの哲学者が何をか言わんや・・・それを知りたい!という好奇心なのかも知れない。
『思考する仕事人』アーレントは、映画の中では常にタバコを手放さなかった
図書館から借りた「ハンナ・アーレント伝」は6センチと分厚い。3ヶ月借り切って撫で回したけれど、手に負えない。 もし、彼女がユダヤでなかったら、ハイデッカーやヤスパースとと出会わなかったら、収容所に送られていたら・・・・・・と色々な妄想が駆け巡る。
「人間は考える葦」であるべきなのに「アイヒマンは思考停止」してしまったということなのだろうと受け止めた。
世の中には立派だと言われる大学を出て、立派だと言われている職業につきながら、思考停止してしまった人たちがなんと多いことか。おそらく、思考停止式で生きる方が楽チンだからなのだろう。
「陳腐な悪(凡庸な悪)」とは何か?他に翻訳の仕様がなかったのだろうか。
若き日のハンナ・アーレント
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『アーレント伝』、以前に読んだことがあります。
夫がおもしろい人だったみたいですね。
アーレントは戦後しばらく国籍がなかったそうで、
それについてもいろいろ考えさせられました。
民主主義万能みたいに言われる今、アーレントの「公共」という概念が、
再評価されていると聞いたことがあります。
アーレント自身の本は難しすぎて・・・・・(>_<)。
投稿: こはる | 2014年1月11日 (土) 20時58分
アーレントの名前は知っていても触れたことがないというのが、映画公開を機に興味を示す人たちが増えたのかもしれません。
シオニストでありながら、全てのシオニストの考え方に賛成せず、アイヒマン裁判の発言ではユダヤ人からも批判を浴びるなど、決して身内びいきの思考はしなかったようですね。
彼女の師であり、恋人でもあった、ハイデッカーのナチスへの協力が気になります。
投稿: elma | 2014年1月12日 (日) 19時20分