『薪能』 ~ 新宿御苑
はじめての「薪能」に心躍らせて御苑の大木戸門をくぐった。友人が並んでゲットしたという正面最前列席のご招待である。 夕方の御苑は瞬く間に夜になり、3000人の観客がぞろぞろと会場に向かう。イヤホンガイドの灯りが道しるべ。
主催は新宿区、29回目の「新宿御苑 森の薪能」は世阿弥生誕650年を記念して、「井筒」(梅若玄祥のワキと室生閑のシテ)。狂言は野村万作・萬斎の「六地蔵」
雲の合間から時折お月様も顔を出して、雨天中止じゃなくてよかった
「篝火」は新宿区のエライ人によって点火されたが、薪ではなくガスバーナーのような・・・・
幽玄の世界へ誘われるべく舞台に集中するも都会のオアシスの上空はヒコーキやヘリコプターが飛び交う。さすがに、陽の落ちた10月はじっと外気にさらされているとかなり冷え込む。照明がナイターのように明るくて、ワキの能面からはみ出したふくよかなアゴや装束から覗くふっくらとした手が気になって仕方がない。 伝統を維持することがいかに難しいことか・・・・現代社会での幽玄の世界は幻なのだと深く悟った夜でした。
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