『台湾人生』 ~ 酒井充子 (文芸春秋)
ふらっと台湾を旅してから、台湾という国が気になって仕方がない。案内してくれた旧台湾大学教授で東大に7年留学したという林さんも15歳まで日本語教育を受けていたとのこと。 しかし、こちらが無知なために日本統治下の台湾について深く話し込むことはなかった。
台湾の歴史書を弄っているところに出会ったのが酒井充子さんの本書であり、ドキュメンタリー映画である。
以下は著者のコメントであるが、深く賛同し、作品に心から拍手を送りたい。
「台湾をしってしまったから」
ドキュメンタリー映画『台湾人生』を作った理由をきかれるとわたしはこう答える。 世の中には知らないことが山のようにあって、新しいことに触れて好奇心を刺激されるということは誰でも経験するだろう。
しかし、わたしにとって、台湾との出合い、台湾の日本語世代との出会いは、それまでの数多くの「知らないこと」とは次元が違った。
その衝撃は、わたしが一本の映画を完成させるに十分なエネルギーとなった。 台湾という国のこと、かって日本人として青少年期を送った台湾人のひとたちのことを「知らなかった」ではすまされないと思ったし、すませたくないと思った。
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