『紫式部日記』がトルコ語に翻訳
1000年前の平安文学が1000年の時を経て、トルコ語に翻訳されたという話を聞いて心が熱くなった。源氏物語は翻訳本を高校時代に読んだけれど、『式部日記』に触れた記憶はない(あったとしても、教科書にチョロッと数行)。
おそらく、大学で古典でも専攻しなければほとんどの日本人にとっては名前だけを知るブランド的古典の存在であろう。
昨年、たまたま訳者と出会うチャンスがあった。
恥ずかしや~あわてて、原書(勿論、現代語訳付き)を手にした。 さすがに、日記というものはリアリテイがある。当時の宮廷生活や式部の人となりを現実的に垣間見ることができ、式部という才女のDNAを受け継いだ人間がどこかに生きているかも・・・・と想いを馳せて、タイムスリップ。
版元はTurkiye IS Bankasi Kultur Yayinlari (トルコの大手銀行文化出版部)。街の本屋で販売している。日本の大手銀行は果たしてこのような出版活動をしているのだろうか・・・・
サインの後に、「笑心」という判をおしてくださいました
訳者はエシン・エセン(Esin Esen)さん、驚くべきことに彼女はまだ一度も日本の土を踏んでいないという事実。 イスタンブルのボアズチ大学でトルコ文学を専攻後、アンカラ大学で日本文学を学び、平安時代の女流文学に興味をそそられたという。 遠くて近い日本とトルコの未来のためにも、またまた、御簾に篭って新しい翻訳の挑戦に期待したいと思います。
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