『15才』 ~ カフカ少年とアンネ
大人と子供の間で、大人になりたい焦りとその不安におののいていた時間を誰もが通過してきたことなのに、大人になるとすっかり忘れてしまっている。現代の15歳は『お受験』という儀式をクリアすることで自分の心を覗く暇も無いのかもしれない。 しかし、それなりに「心」は動いていてエネルギーの発散する吐け口を求めているのではないかと思う。 これはたとえ、偉大なママゴンでも助けられない。自分で助かるしかないという非情をくぐり抜けるしかないのだ。
カフカ少年に親近感を覚え、アンネの赤裸々な告白に感動するのはそこに通過してきた自分自身を発見するからなのだろう。
書店に山積みになっていた村上文学を横目に、手に取ることはなかった(実はベストセラーコンプレックス)。 ごく最近になって、読書好きの友人から勧められて読んだ作品である。文章の上手さに敬服。
「ユダヤ人」て何だろう?という疑問を抱いたのが「アンネの日記」を読んだ頃である。その疑問は未だに完全には解けないのだが、アンネの感受性が熱く伝わった感動を忘れられない。
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