みなみ相馬 ~ 海へ
4月15日: 公演の翌日、朝食後、車で海へ向かった。1年が過ぎてガレキは分類されていたが、線量の多い地区ではいまだに車が海に浸ったまま。街中は人が歩いていない、ときおり車が通るだけ。人口流失が続いている。
広い原っぱのような空間が広がる。破壊された墓石がアチコチに・・・・ここは墓地なのだ。家は流されても墓石は残った。 墓地の周囲には100軒もの住宅が、全部流された。
海は何事もなかったかのように穏やかな波を寄せていたが、海を背にして見える光景はのっぺらぼう
ここは車の集積場所、消防車も宅急便の車も痛々しい。近代文明も潮風にあたり鉄屑同然、あの日あの時、どんな人がどんな思いで・・・・・
わずか24時間の短い滞在で直接話が聞けたのは2人だけ。1年過ぎて、被災地が望んでいるのは「モノと金」ではなく、「未来を見通せること」なのではないだろうか。政府の大丈夫宣言はむなしく哀しい。
宿の女将さんの話:
工事関係の宿泊が増えて震災後、超多忙になった。最近は法事が多く、昨日は6人家族のうち4人の法事、遺影を並べるのに苦労。従業員を募集してもこの1年一人も応募してこない。こんなの初めて。失業保険が延長されればされるほど働けなくなる、という現実。
保母さんの話:
土地を離れていく園児達を何度も見送った。 8箇所あった保育所が今では2箇所になった。危険地域にある自宅には帰れない。新しい地震があるたびにヨレヨレの原発が悪さをしないか心配になる。 政府は内部喧嘩している場合ではないのに、収束宣言なんて嘘!
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