岸恵子に期待したが・・・・ (からむニスト・東京新聞)
9月9日の東京新聞(からむニスト)には次のような投稿が。
テレビ朝日「報道ステーション」では「原発 わたしはこう思う」と題したコーナーを続けている。 さまざまな分野の人たちの原発に対する考え方は興味深い。 その一人が女優で作家の岸恵子だ。電力の80%を原子力に頼るフランスで暮らしていた彼女の原発論。何を語るか期待した。
しかし、その内容は「フランス人は原発教育をしっかり受けているため、自分の考え方を持っている」というもの。対する日本人は「上から『安全だ』といわれると、安全と思い込んでしまう。疑わないことが怖い」とも。 言いたいことは分かるが、精神論のような内容には違和感が残る。このコーナーが意図するものは、まさに「原発をどう思うか」なのでは。原発維持なのか脱原発なのか、自信の考え方を語ってほしかった。
日本では、社会に対し物申す芸能人は少ない。なぜか、それが許されない雰囲気さえ感じる。しかし、岸恵子ならば、という期待があっただけに残念だった。
「岸恵子」といえば、日本がまだまだ貧しい時代(映画はモノクロ・東京オリンピック以前)にフランスという超先進国の相手と結婚した女優である。帰国するたびにファッションのみならず、フランスの香りをお土産に話題を提供してくれた憧れの存在。
彼女自身の言葉のなかからもワタクシは「単なる君の名は女優じゃないの」「国際感覚のある聡明な女優なの」「コクトーの芝居にも出たのよ」「文才だってあるし、ジャーナリステイックなセンスもあるのよ」といった自負が感じられる。 いわば、若き日にフランスに洗脳された日本女優が日本の原発の賛否に答えられるだろうか? 晩年の現在も、変わらぬ大輪の花を咲かせ続けている女優、それ以上期待しても・・・。
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